Wonder JAPAN

いま日本が面白い。 なぜか古いものが新しい。風景の中に未知の日本が見えてくる。

2017-08-26から1日間の記事一覧

第4回 天皇の謎 1700年続く世界に類例をみない王家の謎

日本の正史として日本書紀がある。この書は天武天皇が発し奈良時代に持統天皇と藤原不比等によって完成された。したがって当時の権力者の意図に添って編纂されているのは言うまでもない。概略は、天地開闢、国産み、神産み、アマテラスとスサノウ、天の岩戸…

第10回 エピローグ

◎なぜ、日本の街は清潔できれいなのか?カミから幸(サチ)をいただくためには、身体と生活環境を常に清浄にする必要がある。穢れ(ケガレ)をカミは最も嫌らう。伊勢神宮の20年ごとの遷宮のように建物を建てなおす習慣がある。すべてが常に新しくよみがえる…

第9回 究極の秘密 「稜威」(イツ)

日本の古い言葉に稜威(イツ)がある。 この言葉は剣術の免許皆伝の書や、神社の宮司の祝詞に登場する言葉だ。また世界遺産、宮島の厳島神社のイツである。一般的意味は「畏れを感じる見えない力」霊的威力のことだ。目に見えない彼岸からのパワーである。森羅…

第8回 タマとカミの文化 日本文化の特異性

本稿の論旨を整理すると、まず日本列島に北方、南方、大陸から移り住んだ人びとがそれぞれ部族を形成し、列島の文化に同化していった。山岳と森林に覆われた列島の風土は、美しい四季の変化、サチをもたらす豊壌な自然とともに、火山、地震、台風襲来など生…

第7回 彼岸と此岸の分離 国家の発生で失ったもの

現代人は誰もが国に属している。国には元首がおり、国家は国民を支配している。国民は一定の権利と義務を持ち国家に帰属している。現代人は誕生から終末まで国家に支配されているのだ。これが人々にとって当たり前の世界、常識の世界となっている。 人は一定…

第6回 古層のカミ シャグジ(宿神、守宮神)

信州諏訪に諏訪大社がある。この地方は縄文の狩猟文化をいまだ色濃く残している。諏訪大社で六年に一度行われる御柱祭(おんばしらまつり)では、森から大木を切り出し、氏子たちが、その大木に跨がって山を滑り降りる神事が執り行われている。タマの宿った巨…

第5回 神々の伝承 日本的技芸のはじまり

古代には土地ごとに多くの有力なカミがいた。そのうち神々の戦い(部族の勢力争い=国家成立のプロセス)が始まり、大和朝廷が奉ずるカミ、アマテラスを中心に八百万の神々が再編成されて行く。この過程で敗れた神々を奉じていた多くの人びとは流民(ホカヒビト…